【働きながら予備試験】(まとめシリーズ2)賃借人が不法占拠者に取りうる方法

今日の記事はまとめシリーズ第2弾!

賃借人が借りた物件に不法占拠者がいた場合にどんな方法をとって追い出すことが出来るかをまとめてみました。

賃貸借契約は身近な契約を題材だと思います!

下記ケースを題材にまとめてみました。

  • 甲が乙と乙の所有するアパートの部屋を2年間借りる賃貸借契約を結び、引渡し(部屋の鍵の交付)を受けた。しかし、その部屋には前の賃借人で、乙との賃貸借契約は満了となっていた丙が住んでいた。このときに賃借人甲はどのような方法をとって丙を追い出すことができるか。

①甲が取りうる方法3つ

さっそく、どんな方法をとることが出来そうかを箇条書きにまとめてみました。

甲の生の声としては丙に対して「アパートの部屋から出て行ってくれ」というものだと思います。

そして丙は権原なく(乙との賃貸借契約は満了しており、乙に対して部屋の返還を行う必要性があった)不法に乙のアパートの部屋を占有しているので、丙に対しての「妨害排除」ができそうですね。

この「妨害排除」を軸にして上記3パターンをまとめています!

②賃貸人(所有者)に追い出してもらう

甲が丙に直接何かを請求する、というわけではなくアパートの所有者である乙に丙を追い出してもらう方法です。

一番シンプルな方法ですが、乙次第で追い出す/追い出さないが決まってしまうのが欠点です。

もし所有者たる乙が何もせずに放置している場合も考えられるので、やはり甲(賃借人)から丙(不法占拠者)に何か直接に請求できる方がいいですね。

③賃貸人(所有者)の権利を代位行使する

423条の債権者代位権により乙の丙に対しての所有権に基づく妨害排除請求を代位行使する方法です。

この場合、被保全債権は甲の乙に対するアパートの賃借権ということになります。

よって、423条の典型パターンである、「被保全債権が金銭債権」ではありません。

この場合は必要性と合理性があれば423条の債権者代位権を「転用」することができ、乙の丙に対する妨害排除請求権を甲が代位することできます。

民法改正前は条文がありませんでしたが、423条の7で明文化されています。

④賃借人の固有の権利で追い出す

賃借人の固有の賃借権を不法占拠者に対抗して妨害排除を請求する方法です。

この場合は605条、借地借家法10条1項または31条で対抗要件を具備し賃貸借関係が物権化することで、不法占拠者に対して妨害排除を請求するこができます。

そして、この場合は民法605条の4第1号で妨害排除が可能です。

仮に対抗要件をそろえていない場合には③の賃貸人の権利を代位行使することで丙を追い出すことが可能です。

⑤まとめ

今回のケースで賃借人甲が取りうる方法は下記の通りです!

民法は1周するたびに発見も多いです!

はじめはよく分からなかった分野が別の分野を勉強することによって理解が進むことも多いです!

ここまで読んでいただきありがとうございました!挑戦の毎日を!

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